南アルプス・鳳凰三山(森の情景)

南アルプス紅葉赤

錦秋の鳳凰三山、森の情景。

南アルプス紅葉

紅葉。
山の紅葉は淡く、透き通るように色づいていました。

黄色やだいだい色の葉が高い木の枝の上で、風に揺れています。
その中で、真っ赤な実がなるナナカマドは葉も赤く染まり、ひと際、目をひきます。

登り始めた時に降っていた小雨もいつかあがり、小鳥が軽やかに声を振るわせています。
見上げると青空が広がっていました。

澄んだ秋の空に常緑樹や紅葉の樹々が映えています。
歩く体は疲れても、心が弾み、歩幅が大きくなります。
南アルプス紅葉赤

太陽。
森に陽が注ぐと、光が葉を通り、緑が一面に広がります。
木の幹も道も歩く人の姿も緑になり、私も森の一部となったようです。

太陽と雨の恵みを受けて、木や草花が生き生きとしています。
標高2000mを越え、日差しの暖かさを心地良く感じます。

人も自然も、太陽と水で生きていることを思いました。

岩の道。
岩が陽を受け、風雨に磨かれた鉱石が輝きます。

よく見ると、大きな岩も小さな鉱石の無数の集まりです。
不規則ながら、いくつかの種類の鉱石が一つの岩を構成しています。
まるで、鉱石たちが自らの意思で集まっているように見えました。

森の音。
歩みを止めると、葉がかすかな風にさやさやと鳴る音が聞こえます。
虫の音や遠く鳥のさえずりも耳に届きます。

木の根に腰を下ろして、小休止しました。
暖かな日差しを感じながら、オカリナの音色を聴きます。
樹々にこだまし、空へと昇っていくようです。

南アルプスの道

やがて日が傾きます。
月が冴え冴えと輝き、月の光で星たちの影がかすんでいます。
それでも、暗闇に目をこらしていると、少しずつ星の光が増していきます。

山の夜は寒く、明け方は最も冷えます。
朝、息も白く、テントを片付ける手もかじかみました。

東の空、深い青の下からオレンジ色に染まりグラデーションを見せていました。
西には白くなった月が隠れようとしています。

早朝の森に足を運び、いよいよ鳳凰三山(薬師岳、観音岳、地蔵岳)の縦走です。