南アルプス・鳳凰三山(雲海の富士)

オベリスク

鳳凰三山(薬師岳、観音岳、地蔵岳)縦走への道のり。
早朝、静寂の森へと足を踏み出します。
朝日の森

朝日を浴びて、森も目覚めたようです。
小鳥がさえずり、風に葉がささやいています。

しばらく行くと、樹々の間から雲海が見えます。

やがて森林限界を越え、薬師岳山頂に続く稜線に出ると、360度の雄大なパノラマが広がっていました。

遠く東には雲海に浮かぶ富士山、近く西には白峰(しらね)三山。
白峰三山、北岳、間ノ岳、農鳥岳の稜線がくっきりと青空に映えています。
行く手には薬師岳、観音岳の山頂が見えます。

雲海の富士

森林限界を越えると、それまで風や日差しを防いでくれていた森がなくなります。
地面も土ではなく、砂のようになり、大きな岩がゴロゴロと転がり、ハイマツという低い木や枯れ木がまばらにあるだけです。

稜線に出た途端、喉が渇き、酸素が薄くなったように感じました。
森の中では、土に蓄えられた水や、樹が供給してくれた酸素のお陰でずっと潤っていたことがわかりました。

白根三山

鳳凰三山一の標高2840mの観音岳を過ぎ、地蔵岳のオベリスクを目指します。

オベリスクは明らかに他の岩とは別の鉱石のように見えましたが、付近の岩と同じ花崗岩だそうです。
まるで竜の背のようでもあり、どこか人工的に積み上げられているようにも感じます。
見る角度、日差し量の具合かグレーや、白など色が変わって見えました。
観音岳~オベリスク

自然は静止しているように見えても、常に流動している。
自分の目で、このパノラマを見ることが出来、日差しや湿度を感じることが出来、夢のようです。

2年前、治療をしていた頃、体力が著しく落ち、最寄り駅まで杖をついて息を切らしていました。
山に登ることで、以前よりも体力がつき、ずっと健康になりました。

同じ山でも、季節、天候、気温、湿度、登る時間によってみられる景色は全く異なります。
晴天でも気温が高くなれば、雲が発生し、上昇気流に乗って山頂へ登っていきます。
たくさんの山に登っている夫曰く、今回のようなパノラマが見られるのは、気象条件などのタイミングによるそうです。

数分前に晴れていても、振り返ると靄に包まれている。
逆に曇っていると思って、近づいてみると雲が晴れることもありました。
オベリスクアップ

自然は静止しているように見えても、常に流動している。
雲を作り出す大気の流れに、地球のダイナミックな息吹を感じました。

自然の営みを生み出す根源のエネルギーに思いを馳せます。
その時の自然の姿は、偶然のようで必然的に形成されているように思われます。

その光景に立ち会えることは、奇蹟の瞬間と言えるかもしれません。