オカリナの音色

乗鞍

素朴で温かなオカリナの音色は、心にすっと入ってきます。

オカリナには12個の穴が空いていて、音域は1オクターブ半。
ひとつの楽器で奏でられるのは、ちょうど人の音域と同じくらいです。

大きさによって出る音域が変わり、形も様々あります。
小さなオカリナはまさに小鳥がさえずるような音色で、大きなオカリナはふくろうが鳴くような深い響きがしました。

一つ一つの楽器で個性があり、様々な大きさのオカリナのアンサンブルは、母音で歌うヴォカリーズの合唱のように聞こえました。

オカリナの音に包まれると、どこか懐かしい情景が浮かんでくるような感じがします。

オカリナの発祥は19世紀、イタリアのブードリオという街で、お菓子職人が釜で焼いたそうです。
イタリア語で「オカ=小さな」「リーナ=がちょう」という意味です。

さらに紀元前の古代文明からも、オカリナの原型のような笛が発掘されているそうです。
長く忘れられていたオカリナがイタリアで復活しました。

現在の形に完成した日本の明田川孝氏は「日本のオカリーナの父」と呼ばれています。
古い時代の人々が聞いた土の笛の音色が現代に蘇り、現代の人々に届けられるようなりました。
乗鞍高原湖

オカリナの音色が懐かしいのは、かつて古代人が聞いた遠い記憶が、心の中に甦るからではないでしょうか。
今よりも自然と一体になって、太陽の日時計、星座の移り変わりを見て、暮らしていた頃の記憶。

両手でふわっと楽器を包み込んで演奏する姿は、両手の中に生まれる音に生命を吹き込んでいるように見えます。

音楽は古代ギリシャでは医学とされたようです。
身体の良くない部分に音の振動を伝え、声を聴かせて治療をしていたそうです。

体調が優れなかった頃、夫が奏でるオカリナの音色に、気持ちがとても癒やされました。
心が癒やされ、固くなった気持ちがゆるんでいき、身体の力みも抜けていきました。
小さな頃から心と身体が密接につながっていることをずっと感じていました。

オカリナの音色は自然へ還るための道しるべのようです。

オカリナ奏者曰く。
– オカリナの音色はなんだかすごく優しい声で語り掛けられているような気がする。
 それが何を語りかけている言っているのかわからないけれど、もっと聴きたくて。
 いつまでもオカリナを吹いている。

癒しのオカリナ。

※再生ボタンをクリックすると、Youtubeでオカリナ演奏を再生します。